大担不敵で反逆精神旺盛な男が、海軍海兵団に入隊して、上官や刑務所の監守を相手に大暴れする姿を描く。原作は青山光二の小説「喧嘩一代・帝国海軍なんのその」。脚本は「網走番外地」シリーズの石井輝男、監督は「博奕打ち/総長賭博」の山下耕作。主演には、本作が東映初出演となる勝新太郎。その他、菅原文太、松方弘樹、山本麟一、室田日出男ら、多彩な俳優陣が結集した。昭和6(1931)年、「カムチャッカの兼」こと志村兼次郎は、横須賀海兵団に入隊した。新兵に対する古参兵のしごきは熾烈を極めたが、ひょんなことから皇族の若い久邇宮朝融王と知り合い、義兄弟の契りを交わすなど、持ち前の度胸と腕っぷしで切り抜けていく。そんな或る日、遂に同期の兵がしごきの激しさのあまり自殺してしまった。憤懣やるかたない兼次郎は古参兵を叩きのめし、隊長に切りつけたのだった。そして行き着いた先は海軍横須賀刑務所。だが、そこでは厄介者の兼次郎を抹殺すべく陰謀が進行していたのだった。囚人たちの食事に下剤を混ぜ、下痢を起こさせた後、看護当番に下痢どめ薬を配らせ、兼次郎には下痢どめ薬の代わりに劇薬を渡す、というのである。その看護当番には囚人の桑原が選ばれるが、根が純情な桑原は失敗してしまう。兼次郎が怒るのより早く、囚人たちが、所長のやり口に憤慨し、遂に暴動を起こした。暴動が頂点に達した時、そこに突然久邇宮が現われた。彼は、ちょうど勃発した上海事変に、勇気と度胸のある兼次郎と、兵学校の先輩として尊敬している滝川の出動を申し渡しに来たのだった。かくして兼次郎は上海に向け出動することになったのであった…。前半の海軍訓練所と後半の海軍刑務所。勝新太郎が2回に分かれて大暴れしてくれる1本で2度おいしい作品。勝新のユーモアとバイタリティ溢れる演技は東映であろうと大映であろうと変わらない。菅原文太や松方弘樹もガッチリ脇を固めている。 海軍横須賀刑務所 [DVD] 関連情報
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