過去、レコードLP盤による同名の作品集があり、時々針を置いてはその懐かしい音色を楽しんでいます。もう往年の名作音楽集は出ないのかと思っていた矢先、今回のCD盤はとても嬉しく知的興奮を覚えました。マニアはもちろん、映画音楽大好きな人は必聴と思います。 オリジナル盤による戦前欧羅巴映画主題歌集 関連情報
The way the merchandise is packed was perfect and delivery was quick. Good seller. 関連情報
美しく青いドナウや皇帝円舞曲などのワルツの名曲もおさめられていますが、これらは原曲の三分の一ほどの短縮版、あえて言えば『さわり』『雰囲気』を楽しむ感じ。でも、CD全体を通じて、オペレッタや「会議は踊る」の曲などが、次々としゃれっ気のあるうまい歌手で歌われて行くので、実に楽しい気分になります。特に「新しい酒の歌」が素晴らしい。「会議は踊る」の中での、哀愁とちょっとワイマール共和国の退廃の色を感じさせる歌い方ではなく、ここではひたすら甘く楽しく歌われますが、これはこれで女性歌手の美声もあって素直に歌の魅力に浸れる。「博士殿、1912年をまだ覚えておいでか」と言ったやや渋めの歌も、クンツのさりげなく人生の苦みを感じさせる歌唱で味わい深く聴けます。これ以外と掘り出し物のCDですよ。それと解説が日本ウイーン・フィルハーモニー友の会の白石隆生という方が書いていて、各曲と歌手に対してとても要を得た説明をしています。 会議は踊る~美しきウィーンのし 関連情報
1965年公開、ジュリー アンドリュース主演のアメリカ映画(サウンド オブ ミュージック)の元となった作品、1956年公開の西ドイツの作品だそうです。驚いたのが、これが真実の物語りだという事。見習い修道女であったマリアが7人の子持ちな名門貴族の主人と恋に落ち、結婚をする、まるで夢物語なのに真実だったとは、、、本当に驚きました。でもドイツは大変な時代、ナチスが進行、国が傾き大手銀行が相次いで倒産、全財産を失ってニューヨークへ亡命、、、本当に大変な事の連続だったと思います、それ故に素晴らしい名作に仕上がっています。2年後には続編(続・菩提樹)が制作されていて、こちらも楽しめます、かつてのドイツのトップラー家邸宅は現在でもホテルとして経営をしており、宿泊出来るそうですよ、一度、行ってみたいですね。 菩提樹 [DVD] 関連情報
実に巧妙なストーリーテリングで観る者に幸福の夢物語とユーモアを感じさせる本作。実に美しく素晴らしく映画的な作品である。シーンの切り替えは、もう職人芸。ロシア皇帝のパレードで花束を皇帝に投げようと考えるクリステルは、幼馴染の彼と言い合いをする。「花束をあげるの!」「ダメだ!」というやり取りを幾度と無く繰り返していくと、彼らの握り拳が次の瞬間、手を振りながらパレードを行進する兵隊たちのショットへと切り替わる。このテンポの良さが後に展開されるミュージカルの軽快さと一致し、全編を爽やかで愉快な物語にしている。クリステルがロシアの皇帝と酒場でデートをしているシーンも上手い。彼らが歌を歌いながら幸せ一杯でいると、カメラは2人のバスト・ショットからグイグイ引き、歌い踊る酒場、酒場全体を映し出し、そしてダンスをする大衆の足踏みと移るのだ。その足踏みは社交場である劇場のダンスへと変わる。そこには酒場とは全く違う高貴な雰囲気が漂い、ロシア皇帝の影武者と彼を本物の皇帝と思いこみ、誘惑する女を映すのだ。皇帝とその影武者の余りに違いすぎる立場を、洗練されたカメラ・ワークで視覚的に描写した傑作シーンであるのだ。更にはお城へ招かれ、馬車で移動しながら有頂天で歌うクリステルをワンシーン・ワンショットでとらえたシーンもまた、彼女の幸福さをそのまま観る者に感じさせ、まさにミュージカルの優雅さとシンデレラ・ストーリーの絶妙な融合であるのだ。まさか影武者を使っているとは夢にも思わないメッテルニヒが思わぬロシア皇帝の登場に驚き酒をゴボゴボこぼすシーンなどもクロース・アップやクレーン撮影を用いて、最大から最小へ魅せていき、製作者の意図するように、観る者の心を操作するのだから実に素晴らしく、コメディの演出としても一級品であるのは言うまでもない。 會議は踊る【淀川長治解説映像付き】 [DVD] 関連情報