公開当初映画館で観て終わった後、感動して席立つことができなかった記憶があるほど素晴らしい作品だ。初回のDVD化で絶版になり、中古市場ではとんでもない値段でオファーされていたが、今回HDリマスターでの再販は超うれしい。ストーリーは、デンマークの質素な生活をする漁村の敬虔なプロテスタントである二人の老姉妹のところにパリ・コミューンで家族を失い母国をすてたバベットという女性がやってきて家政婦として住みつく。ある日、宝くじが当たったバベットは村人と姉妹に対してお礼の晩餐会を開きたいと提案する。二人の姉妹の少女時代の淡い恋なども絡めてラストの晩餐会へ展開する。村人は質素な食生活があたりまえであったためバベットを変な眼で観るが、バベットの出す料理に徐々に幸福感を得てくるシーンが最高に良い。そして、こんな素晴らしい料理を作るバベットとは何者か。謎に満ちた彼女の素性を中心に観るのも良し、老姉妹の初恋の人との再会を中心に観るのも良し、様々な角度から楽しめる作品だ。とにかく、料理を楽しむうちに徐々に幸せになる村人を観ているだけで幸せになる最高な作品。それを観るだけでも十分しびれてしまう。そして、観終わった後に絶対美味い物を食べに行きたくなることが間違いない。この頃のデンマークの作品は素晴らしいものが多いが、この作品は特に素晴らしく私としては今まで観た作品の中で5本指に入る作品だ。そんな、素晴らしい作品の再販は涙が出るほどうれしい。 バベットの晩餐会【字幕ワイド版】 [VHS] 関連情報
映画で受けた印象とほとんど同じで、良く出来た映画だったんだなと改めて思いました。原作本だと細かい心情描写がされているので、より深く楽しむことができて、良かったです。 バベットの晩餐会 関連情報
今から25年前の作品。高校生のとき映画館で観て、心がふるえた記憶がある。寄り添って生きる老姉妹を、93歳のリリアン・ギッシュと79歳のベティ・デイヴィスが演じている。なんと、ひと回り以上も年上のリリアンのほうが妹役! 鏡に向かって髪を結うシーンや、亡くなった夫との結婚記念日を1人で祝うシーンなど、とてもラブリーなリリアン・ギッシュは、確かに「若々しい」。一方、「ベティ・デイヴィスの瞳」と歌にまで歌われたほど瞳が印象的なベティ・デイヴィスには、あえて目の不自由な役を振っている。ときどきサングラスまで掛けさせてしまう。それでも亡夫の遺髪で頬を撫でるシーンなどでは、「見えない目」がとても印象的。イギリス人監督リンゼイ・アンダーソンのねらいがおもしろい。物語はほとんどこの2人で進行する。舞台劇のように静か。静かなだけに、2人がしわくちゃの手をつなぐアップのシーンにグッとくる。もともとは戯曲らしいが、こうした視覚的な力強さは映画ならではの効果。晩年はティム・バートン作品などに出演した名優ヴィンセント・プライスも、いい雰囲気を出している。主要3人の俳優は、この映画が製作された数年後に前後して亡くなっている(監督も94年に没)。それでもこうして作品は残り、いきいきと素晴らしい芝居を、現代の僕たちは目の当たりにすることができる。20年以上ぶりに鑑賞して、何ともいえない至福に満たされた。きっとこれからも、たびたび心の引き出しから取り出すことがあるだろう。 八月の鯨 [DVD] 関連情報
この映画は公開当初、内容も全く知らないのに無性に観に行きたくなり、映画館に入った記憶がある。観終わった後、映画の素晴らしさに動けなかった。心が洗われる素晴らしい映画である。ストーリーの情報があまりないようなので、チョコットだけ紹介する。デンマークの漁村に敬虔なプロテスタントである二人の老姉妹が住んでおり、村の老人たちの食事の世話などして暮らしていた。この姉妹のところにパリ・コミューンで家族を失い、母国をすてたバベットという女性がやってきて、家政婦として住みつく。ある日、宝くじが当たったバベットは村人と姉妹に対してお礼の晩餐会を開きたいと提案する。二人の姉妹の少女時代の淡い恋なども絡めてラストの晩餐会へ...質素で敬虔なプロテスタントの村人にとって見たことも、味わったこともないフランス料理やワイン。だからこそ、ラストの晩餐会の料理がより豪華に見え、料理を味わう人々の気持ちが徐々に変化する様が映画を観る者にも伝わってくる。特に、料理を味わうおばあちゃんの顔が徐々に至福の顔に変わっていくところは「ホッ!」した気持ちになった。料理に老姉妹の少女時代の恋のエッセンスも加わり、本当に観るものの心は洗われ、観終った後は何故かやさしい気持ちになれる。すさんだ現代では、必見の「優しく、美味しい」映画だろう。バベットの作るフランス料理は本当に美味しそうで、この後フランス料理で「ウズラ」を食べてみたくなった。 バベットの晩餐会 【字幕版】 [VHS] 関連情報
全編にしずかな空気が流れる穏やかな映画です。質素な宗教的生活を送る姉妹の身の回りに起こるできごとは、本来ドラマティックにいくらでも描けるはずなのですが無駄を省いた少ない台詞そして何よりすばらしい料理によって淡々と描かれます。見終えると豊かな気持ちになれること間違いなしです。そしてお腹が空くでしょう。料理が人の気持ちをいかに動かす事ができるのか、日常への些細な不満のあるかた是非ご覧下さい。すこし贅沢な食事で自分へのご褒美をあげてはどうでしょう?この映画通りとはいかずともきっと少し満たされるかもしれません。そして仕事に誇りを持つ事の気高さを感じてください。そこは見てのお楽しみです。 バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD] 関連情報